【テンセント】AIリテール最高責任者が語る【世界最先端・智能リテール】とは?
5月上旬に上海で開かれた人工知能ロードショーには、多くの有力スタートアップ企業に交じり、テンセントグループのAIリテール部門も参加し、そのサービスの高い完成度が注目を浴びた。
ここでは、テンセント社の主なサービス内容を紹介する。
店内行動分析では、顔認識等によりユニークIDを振られた顧客の行動を位置情報に落とし込み、店舗の中でどのセクションがもっともトラフィックが多いのか、どのような経路をたどっているのか等、行動を分析する。
コンシューマー・マネジメントでは、過去に購買したユーザーを特定し、お得意様として、ショップ店員にその外観、過去の購買記録(別の店舗含む)、およその年齢を表示し、購買可能性の高いSKUをレコメンドする。また、ビッグデータからお得意様とそのSKUに見合った割引などのクーポン権利を店員に付与し、販売をサポートする。
セールスチーム・マネジメントでは、顔認識・行動認識により、販売スタッフが1日に何人の顧客を相手にしたのか、そして、レジに同行した顧客の顔IDと販売員の顔IDとがリンケージされ、相手にした客がどれだけ購買につながったのか、リアルタイムでモニターされる。
なお、販売スタッフは店内に長時間滞在することで自動的に顔認識され、クラウドに登録される。
ディスプレイ&ストレージ・マネジメントでは、欠品状況はもちろん、ディスプレイに不適切な部分(男性用のシューズにレディスが混じるなど)があると、店員にアラートが発せられる。
セキュリティ関連では、盗難などの防犯はもちろん、幼い子供が大人と離れて行動しているだけで位置情報と行動分析からアラートが発せられ、迷子や誘拐防止ができ、特定地域が混雑し密集しているとAIが判断した場合には、店員や警備員が誘導するように指示が出される。
ー”智能”(チノ)ベーションについてー
“智能”ベーションとは、チャイナ発のAI・ビッグデータ・IOT等領域における、個別の革新技術とそれを応用した先進ビジネス・社会モデルの総称、いわゆるベンチャー(民間企業)のスタートアップにとどまらず、政府民間共同によるPPP等、智能都市・スマートインフラ・先進政治社会モデルを含む。
”智能”ベーションと”有機的”につながるためには、多くの壁があります。プレゼン・資料・チャット・グループなどはすべて中国語で、毎日情報が飛び交うため、英語や翻訳では到底間に合いません。言葉がわかったとしても、PE/VC/AIの知識、中国人起業家・投資家のコミュニティに溶け込むだけの高い経験値が必要になります。
著者略歴
齋藤誠一郎(さいとう せいいちろう)1976年生まれ 2000年 東京大学経済学部在学中に起業、多くの日系企業の中国進出コンサルティングを行う。2005年 メディアコンテンツ関連のスタートアップ(株式会社星影通・CINETON)取締役・ 34%株主)、2009年、香港金融グループ(肖建华)傘下台湾日盛証券(日盛金:5820)取締役などを経て、2014年、赛有限合伙SeyhLimitedを設立、中国歴18年、上海在住。英語・中国語・日本語。 (これから2045年頃まで”智能”ベーションとお付き合いしていく覚悟です、ブログをご覧の皆さま、ご関心を持ってくだった方、どうぞお気軽にご連絡ください。)
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