【自動運転AIとV2Xの関係】しのぎを削るべきはメーカーではなく国家同士?!
自動運転、5つのレイヤー:感知⇒認知⇒判断⇒制御⇒駆動 V2X無くして完全な認知・判断(自動運転AI)は成り立たない!
インフラV2Xは自動運転に密接な役割を負っている。
以下、著名コンサルタントの図を借用して説明する。
自動運転AI・著名コンサルタントY氏によれば、自動運転は5つのレイヤーからなる。
① 感知器レイヤー
視覚カメラAI、LAIDAR・AI、GPSマップ、車体状態感知センサーなどのデータを収集する感知レイヤー
② 認知レイヤー
認知レイヤーでは、車体に搭載されたセンサーから得られたローカル(オフライン)のアプローチと、であり、クラウドのアプローチ(オンライン)がある。
さらに、そのローカル(オフライン)では、各種センサーから得たデータをその瞬間のスタティック(静態)で分析するだけでなく、ダイナミック(動態)でも分析する。
ダイナミック(動態)では、スタティック(静態)情報をヒストリカルに前後に連ね、重ね合わせた中で整合・分析する。そして、センサーによって収集されたデータは、オンライン(クラウド)と通信し、上記ローカルの分析と統合される。
例えば、視覚カメラAIやLAIDARなどセンサーがとらえた周囲の信号や道路の情報と、クラウド地図データにある信号や道路の位置との整性や、センサーが捉えた周囲の車の位置とクラウドにある他の車の位置との整合性なども、常に通信・分析されている、
したがって、V2X(Viechle 2 Everything)がなければ、AIは進化しないし、精度を上げることもできない。
また、V2Xの世界には膨大な通信が発生するため、5G回線が必須である。つまり、どんなにメーカーが頑張っても、政府が5Gインフラを持った都市開発を進めなければ、優れた認知システムは作れない。
信号機や道路とヴィークルが通信できなければ(もっとも将来信号機は不要になるのだが)、または、異なるメーカーのヴィークル同士が通信できなければ(つまりホンダとメルセデスなどがお互いの位置情報や走行データをクラウドで共有できるようにならなければ)、本当の意味での完全自動運転は実現しにくい。
インフラの上を走行するすべてのプレーヤーが通信すること(V2X)、そのデータ網から漏れないことが認知レイヤーのグレードを決めるのである。
③ 意思決定レイヤー
ローカルで統合された最終分析とクラウドからの分析・制御情報が合わさり、意思決定・ルート決定がされ、その後、④ 制御レイヤー (ハンドル・アクセル・ブレーキなど)、⑤ 実行レイヤー (モーター・車輪など)に執行されていく。
つまり、各種メーカーがしのぎを削るのは大いに結構だが、つまるところ、最高の自動運転とは、特に認知レイヤーにおけるO2O分析、V2X、社会プロジェクトであることを忘れてはいけないだろう。同じ車でも国やインフラが違えば安全度が変わってくるのである。
運転が完璧なドライバーでも、信号機が壊れていれば、事故を起こしてしまうのと同じである。
いかに行政が音頭をとり、インフラとして素晴らしいグランド・デザインしていけるのか、しのぎを削るべきはメーカーではなく、国家かもしれない。
下記は今年、3月のニュースだが、上海の西側空港の付近にその地区がどんどん建設されているのを間近で見ていると、もうすぐの話だという実感がある。
ー”智能”(チノ)ベーションについてー
“智能”ベーションとは、チャイナ発のAI・ビッグデータ・IOT等領域における、個別の革新技術とそれを応用した先進ビジネス・社会モデルの総称、いわゆるベンチャー(民間企業)のスタートアップにとどまらず、政府民間共同によるPPP等、智能都市・スマートインフラ・先進政治社会モデルを含む。
”智能”ベーションと”有機的”につながるためには、多くの壁があります。プレゼン・資料・チャット・グループなどはすべて中国語で、毎日情報が飛び交うため、英語や翻訳では到底間に合いません。言葉がわかったとしても、PE/VC/AIの知識、中国人起業家・投資家のコミュニティに溶け込むだけの高い経験値が必要になります。
著者略歴
齋藤誠一郎(さいとう せいいちろう)1976年生まれ 2000年 東京大学経済学部在学中に起業、多くの日系企業の中国進出コンサルティングを行う。2005年 メディアコンテンツ関連のスタートアップ(株式会社星影通・CINETON)取締役・ 34%株主)、2009年、香港金融グループ(肖建华)傘下台湾日盛証券(日盛金:5820)取締役などを経て、2014年、赛有限合伙SeyhLimitedを設立、中国歴18年、上海在住。英語・中国語・日本語。 (これから2045年頃まで”智能”ベーションとお付き合いしていく覚悟です、ブログをご覧の皆さま、ご関心を持ってくだった方、どうぞお気軽にご連絡ください。)
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