中国が掲げるモビリティ・6つの"0(ゼロ)"【中国スマート・トラフィック】(その2)
前回の続きです。
次に、資源の重複・設備過剰 "0(ゼロ)"についてお話しします。
自家用車、マイカーの稼働率は時間換算にしてたったの5%しかなく、大いなる無駄だという国家統計があります。残りの95%は車庫にあり、人を乗せていないのです。
確かに、マイカーを持つ人は、寝ている時間は車を使いませんし、起きている時間、仕事をしている時間、食事をしている時間、買い物をしている時間、友達とお茶をしている時間、すべて車に乗っていないのです。
マイカーを用いる移動時間はせいぜい30分程度ではないでしょうか? そして、その人を乗せている5%の時間のうち、半分は信号や渋滞などで停止しており、走行していないのです。
また、中国にある1.5億台のマイカーのうち、83%は1人か2人しか乗せておらず、31%は自分一人で運転しています。つまり3億の座席が空席、アメリカの全人口がすっぽり入ってしまうほどの無駄なのです。
それだけ資源の無駄があり、それをDiDi(滴滴出行、ディディチューシン)などのソリューション、V2X等シェア・エコノミーで解決しよう、という考えを中国政府は持っています。
ー”智能”(チノ)ベーションについてー
“智能”ベーションとは、チャイナ発のAI・ビッグデータ・IOT等領域における、個別の革新技術とそれを応用した先進ビジネス・社会モデルの総称、いわゆるベンチャー(民間企業)のスタートアップにとどまらず、政府民間共同によるPPP等、智能都市・スマートインフラ・先進政治社会モデルを含む。
”智能”ベーションと”有機的”につながるためには、多くの壁があります。プレゼン・資料・チャット・グループなどはすべて中国語で、毎日情報が飛び交うため、英語や翻訳では到底間に合いません。言葉がわかったとしても、PE/VC/AIの知識、中国人起業家・投資家のコミュニティに溶け込むだけの高い経験値が必要になります。
著者略歴
齋藤誠一郎(さいとう せいいちろう)1976年生まれ 2000年 東京大学経済学部在学中に起業、多くの日系企業の中国進出コンサルティングを行う。2005年 メディアコンテンツ関連のスタートアップ(株式会社星影通・CINETON)取締役・ 34%株主)、2009年、香港金融グループ(肖建华)傘下台湾日盛証券(日盛金:5820)取締役などを経て、2014年、赛有限合伙SeyhLimitedを設立、中国歴18年、上海在住。英語・中国語・日本語。 (これから2045年頃まで”智能”ベーションとお付き合いしていく覚悟です、ブログをご覧の皆さま、ご関心を持ってくだった方、どうぞお気軽にご連絡ください。)
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