元Google・百度の自動運転トップが10億ドルでスピンアウトしたシリコンバレー系中国企業
小马智行(Pony.ai、ポニー・エーアイ)は、シリコンバレーと中国を拠点とする、資本・人材ともに中国発のスタートアップ
小马智行(Pony.ai、ポニー・エーアイ)の創業者は、百度、Googleのコア・リーダーからスピンアウトし、元スタンフォードと清華大学をまたいだチャイナ・エリートたちだ。
晨兴资本と君联资本がシードで、本年1月にセコイア・IDGら7資本がAラウンドに加わり、1.12億ドルを調達している。
彭军(パンヂュン) 共同設立者 CEO
清華大学(学士号)を経てスタンフォード大学(博士号)修了後、Googleに7年在籍、Googleでは最高賞にあたるGoogleFounderAwardを受賞。その後、百度にて自動運転アーキテクト担当、技術レベルでトップ階級の”T11”エンジニアとして、無人運転の全体的戦略開発に携わる。
楼天城 (ローティエンチェン) 共同設立者 CTO
中国で権威あるコンテスト、Top Coder China Championshipで10年連続優勝、“ACRush"の名で知られる天才プログラマー。Googleでは、Google Global Programming Challengeを2度受賞、Waymoの前身であるGoogle Xで無人車両技術の開発を担当。百度では史上最年少の技術クラス”T10”のエンジニア、無人車両技術委員会委員長を務める。清華大学、博士PhD。
2018年5月に上海で行われた同社のAIロードショーに”智能”(チノ)ベーション(筆者)が参加した際のプレゼン映像をいくつか紹介します。
雨天、複雑な路上での認知、判断、制御
雨天など状況の悪い環境でも、道路・歩行者・車両・交差点・信号を認知し、意思決定し、制御しています。
対向車、歩行者、対抗右折車を総合的に判断しなければならない左折
人間には不可能なレベルの8字カーブ運転
ビデオでは、Pony.aiは秒速8メートルの速度で、8字カーブを10周以上していますが、この際、一回も標識の柱にぶつかっていません。端的に、Pony.aiの制御の精度がベテランドライバーの水準(人間)を超えていることを証明しています。
ー”智能”(チノ)ベーションについてー
“智能”ベーションとは、チャイナ発のAI・ビッグデータ・IOT等領域における、個別の革新技術とそれを応用した先進ビジネス・社会モデルの総称、いわゆるベンチャー(民間企業)のスタートアップにとどまらず、政府民間共同によるPPP等、智能都市・スマートインフラ・先進政治社会モデルを含む。
”智能”ベーションと”有機的”につながるためには、多くの壁があります。プレゼン・資料・チャット・グループなどはすべて中国語で、毎日情報が飛び交うため、英語や翻訳では到底間に合いません。言葉がわかったとしても、PE/VC/AIの知識、中国人起業家・投資家のコミュニティに溶け込むだけの高い経験値が必要になります。
著者略歴
齋藤誠一郎(さいとう せいいちろう)1976年生まれ 2000年 東京大学経済学部在学中に起業、多くの日系企業の中国進出コンサルティングを行う。2005年 メディアコンテンツ関連のスタートアップ(株式会社星影通・CINETON)取締役・ 34%株主)、2009年、香港金融グループ(肖建华)傘下台湾日盛証券(日盛金:5820)取締役などを経て、2014年、赛有限合伙SeyhLimitedを設立、中国歴18年、上海在住。英語・中国語・日本語。 (これから2045年頃まで”智能”ベーションとお付き合いしていく覚悟です、ブログをご覧の皆さま、ご関心を持ってくだった方、どうぞお気軽にご連絡ください。)
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